このタイガーファンディングには大きく「ビジネスモデルで勝つ」と「キャラクターで勝つ」のパターンがあるが、今回の志願者は完全に後者であった。チョンマゲで掴みは抜群かと思いきや、ビジネスのお話がまあ~~盛り上がらない。訪問介護の社会的意義や需要はよく分かる。お風呂は生活必需なイメージが強く、人間が尊厳を保つための最も簡単な手段である。一度その味を占めたらリピーターになる人がいるのもよく頷けるし、なによりこの高齢化社会だ。よっぽど間違えなければ赤字になることはないだろう。
しかし、ビジネス的には面白みが無さすぎる。全てはケアマネージャー経由で仕事が回ってくるため、自社の宣伝広告や販売戦略というものは無いに等しい。病院に通ってケアマネージャーさんのご機嫌をうかがうしか方法がないし、そのケアマネージャーも、一社に連続して卸すことができない法的な縛りがあるという。それも、戸村さんはそのボランティア精神から安価設定で儲けは考えていないと言ってしまう始末。いやいや、これ投資番組なんですよ。儲け考えていないって、それよく言えましたね。ある意味すごい。
とはいえ、これは投資番組でありながら、ショーである。バラエティーショーなのだ。ただの投資検討会議なら鼻で笑われて終わりそうなプランでも、流れによってはALLになる。芸人が番組を盛り上げるように、コメンテイターが番組に一石を投じるように、虎という出演者たちが撮れ高を意識した質問を繰り出す。それが、あれよあれよとまさかの結果に繋がってしまう。だから面白いのだ。マネーの虎同様、このショーという特性に面白みがある。
最後に10万円だけ足りなくなるのも実にドラマであり、最近数字キャラをやめたという木下先生(令和のウラより)の人情的なコメントも中々見ない展開で良い。正直、虎の面子に恵まれた結果という印象は強いが、それでもALLになって良かったねと、シンプルにそう思える回だった。
いきなりラッキーセブン概念を持ち出す高橋代表の相変わらずな不思議ちゃんっぷりが見どころ。