『令和の虎』感想ブログ Tiger Watching

YouTube『令和の虎CHANNEL』(Tiger Funding)の感想をアップします。

【感想】クリエイティブ産業の地域格差をなくしたい!【秋山 大地】[252人目] #令和の虎

www.youtube.com

www.youtube.com

 

虎たちは、自分(投資する側)に不利な情報が話の流れでぽっと出てくることに非常に敏感だ。企業家、それも自分の会社を持っている人間となると、絶対儲かりますよ投資しませんかといった綺麗な言葉しか並べない人間がゴマンと近づいてくるのだろう。だからこそなのか、不利な情報を結果的に隠した格好になる志願者には当たりが強くなる。特に林社長はこれに敏感で、志願者のさらっとした一言をしっかりキャッチしてぐいぐいと攻め込むことが多い。今回も、案件過多なのに赤字、値付けミス、客先である企業を装って受注、というワードが非常に心証を悪くしたと感じた。

 

そもそも失礼ながら、秋山さん、説明がお上手でない。なにを伝えたいのかずっと聞いていてもよく分からない。緊張もあると思うが、虎たちがここまでビジネスモデルの把握に戸惑う展開になるとは。中盤に林社長が具体例を挙げてと促した際も、補助金の話なんて要らなかった。おそらくIT導入補助金に絡めた補助金ビジネス会社を加盟店として通す話をしたいのだと思うが、あの瞬間に林社長が聞きたかったのはそこではないのだ。あなたはどういうプロセスで関わってお金をもらっているんですか、というフローの話だ。だからこそ岩井主宰がどんどん介入して助け船を出す。なんとも空気がよくなかった。そりゃあ、ALLにはならないだろう。(100万を積んだ虎たちも明らかにALLにならないのを分かって積んでいた)

 

よしんば、値付けミスだったとして。値付けミスで赤字を招くような迂闊な経営者にお金を預けようとは思わないだろう。そんな背景がある時点でこの企画には向いていなかったと感じてしまう。

 

田舎はフェイスTOフェイスでしか仕事を受けない・頼まない人も多く、旧態依然とした価値観や熱い義理人情がまだまだ幅を利かせている。だからこそ、その地場にある企業を窓口(加盟店)にし、そこから案件を受注する。その意図は分かるが、それってつまり、「ホームページが作れない人がホームページ作ります!という営業をかける」なシチュエーションを生んでしまうのだ。蓋を開けてみればOEMで他の会社がやってます、ってそれは地方では理解され難いだろう。そんな嘘八百な会社、次第に村八分にされないだろうか……。ITリテラシーが低い分、信用リテラシーは阿呆みたいに高い。それが地方なのだ。

 

あと、中盤に盛り上がった賠償関係。これにすっきり答えられないのが個人的にとても気になった。もし賠償事案が発生したら秋山さんが出ていって謝るとあったが、秋山さんは加盟店の社員のように装ってその案件に関わっていた訳で、客と直接的に関わる加盟店が「実は丸投げOEMだったのでそっちの人が謝ります」なんて言えるはずがないのだ。つまり、装うというビジネスプランそのものがやはりものすごく厳しく感じられる。信用社会の田舎ではなおさら。

 

これでは結果的に、秋山さんが述べていた「ITリテラシーの低い地方者に高い金を払わせて食い物にする大手が多い」と構造は同じである。OEMってなに?リモート?……程度のリテラシーの低い人を食っているビジネス。それをいかにも画期的なシステムかのように語るのが、どうにも腑に落ちなかった。

 

ぐいぐいと追撃の手を緩めない三浦社長が見どころ。