桑田社長が北海道に進出するのは彼のチャンネルで知っていたので、田中さんはかなりのラッキーマンだと思って最初から観ていた。彼は持っている。
まず、この手の試食でこれだけ褒めに偏るのが珍しいと感じた。ラーメンに一家言持ちのトモハッピーはともかく、他がこれだけ絶賛するのなら、北海道の田舎では十分に通用するのだろう。
しかしまず気になったのは、田中さんが関わっている町おこし的なそれをもう少し具体的に知りたかったということだ。町おこし協力隊(だったかな?)や高校生レストランなど、なんとなく語感でイメージは沸くものの、詳細が伝わってこない。これは全体の趣旨にも通底する部分で、最後まで、このラーメンを地元で広めたいのか観光客に訴求したいのかがよく分からなかった。観光客も、道内と道外のどっちを見据えるのか。彼が地域活性化を担う次世代としての情熱を持っているのなら、そういった趣旨で協力隊などに参加しているなら、もっとその辺も掘り下げられただろう。根幹にあるであろう想いの部分が見えないので、そっくりそのまま、ラーメンが目指したいベクトルや目的地が見えない。そこを知りたいのである。
一方、トモハッピーの「ラーメンにはなにか強力な個性が必要」は、割とシティな意見だと感じた。地方は、全要素が平均70点みたいなラーメン、人気になります。こういう、個性が弱いけど決して悪くない、が個性というか。割とファンが付くんですよ。むしろなにかひとつの個性に振ってしまうと、それを好まない客は最初から行きませんからね。そういった意味では、周囲に競合の店がないこの志願者のシチュであれば、個性の弱さはあまり弱みではないと感じた。
しかし、食べてみたいなあ。鶏がしっとりしているラーメンは、それだけで美味しそうに感じる。塩の人気は根強い。